2013年9月4日水曜日

キャンプ





8月の頭に、研修の一環で小学4-6年生の子どもたちとキャンプをしてきました。

僕はトレーナーとして参加しました。1チーム16人対トレーナー3人、北海道のキャンプ場で5日間。

すごく楽しかった。
子どもにものごとを教える喜びを学んできました。
少し長くなるけど、感想文です。

出発前、僕は北海道の自然とか、子どもの元気な姿を見られたらいいな、と思って参加しました。

しかしそんなに甘くはなかった。
スタッフはカビ臭いイベントハウスに煎餅布団で雑魚寝だし、朝は5時から夜は2時とか3時までフル稼働。
子どもたちは、当たり前だけどひとりひとりが全然違う生き物で、大人ひとりとコミュニケーションをとるだけでも難しいのに(コミュ障)、
複数でぶつかってきますからそれはもはや大変を通過してむちゃくちゃでした。
それでいてすごく繊細で、名前を間違えたり、雑な扱いをすると凄く傷つきます。
子供かよ!って思うけど、子供は子供なんです。
大変でした。




でも、ほんとに楽しかった。
まじめな話、教えることってすばらしいって心から思いました。

自分が過去に経験したことを子供たちに教えることで、子供たちはそれまで出来なかったことができるようになります。

これはお互いの喜びになりました。子供たちは「手伝ってくれる?」と声をかけると必ず喜んで手を貸してくれて、

一緒に何かを作ったり、目標を達成することを必死にがんばってくれました。
僕はそういう子供たちの素直な姿勢に強く感心しました。
頑張る子供たちはほんとにかわいい!




難しかったのは、子供にものごとを教える際の言葉選びです。
子供が何か困っている時には、すぐに手を貸したり答えを教えることはしませんでした。

「どう思う?」とか「何に困ってる?」という言葉を投げかけて、困った時に立ち止まって考えるクセをつけることで、次に同じような状況に置かれたとき、
今度は子供たちが自ら考えて行動できるようになってほしいと思ったからです。

それは簡単ではありませんでした。
僕は初めから割と難しい課題を出すようにしていました。(調理の時間管理や役割分担、集合の声掛け、情報伝達とか、大人でも難しいよね。)
最初は子供たちも分からないことだらけで戸惑っていたし、僕も厳しくして嫌われたり、間違ったことを教えてしまうことは、すごく怖かったです。

ビビっている僕をよそに子供たちはどんどこ課題をクリアしていきました。
子供たちはとても嬉しそうで、僕はその度に「がんばったねぇ」とこみ上げる涙がこぼれないように木とかを見ていました。




一生懸命ついてきてくれた子供たちに凄く感謝していて、教育は相関関係によって成立するのだな、となんとなく納得した気になったり、しました。

子供たちの成長は集団行動にも大きな変化をもたらしてくれました。はじめのうちは初対面同士、会話もままならないメンバーでしたが、
仲良くなるにつれ、声をかけ合ったり、相談し合いながら集団行動を進めることができるようになりました。

特にすごかったのは自炊でした。与えられた食材から、チーム全員で作るものを決め、役割を分担し、時間を調整しながら食事を準備すること。

これは大人の自分たちでも難しいことだと思います。納期管理です。子供たちは、4回の自炊のうち、前半2回はたどたどしかったものの、後半では予定時間よりも早く食事を完成させ、片付けまで協力してスムーズに行えるようになりました。

「片付けが終わったらミーティングをするので集まってください」とリーダーに伝えて待っていたら、全員で並んで集まってくれました。
その時は本当に感動して、胸がいっぱいでした。
もうミーティングどころじゃなかった。








そのミーティングではキャンプファイヤーの準備で、マイムマイムを教えたのですが、みんなで歌いながら踊ったあれは最高だったな。

一番楽しかったのは、自由時間に子供たちと鬼ごっこをした時間でした。
テントの撤収を予定より早く済ませて作った自由時間に、子供たちに相談してもらって、みんなで鬼ごっこをしようと決め、トレーナーも一緒になって走り回りました。

子供たちはみんなが納得できる遊びをきちんと話し合って決めていたし、楽しむ中でも怪我をしないように注意し合っていました。
子供たちの成長が見て取れて嬉しかったし、何よりみんなで思い切り体を動かしたのが気持ち良かった。ガチで走ったけど、半分も捕まえられなかった。おじさん倒れるかと思ったよ。

ほんの15分くらいの遊びだったのですが、それまで難しいことを頑張ってきた分、とても良い思い出になりました。


どんだけ焼きそば嬉しいのか。






キャンプを終えて、もう半月が経過しましたが、未だに子供たちのことが頭から離れません。
振り返ると、子供たちからとてもたくさん、大切なことを教えてもらった気がします。

僕は人として、絵描きとして、素直でいたいと思いました。
素直になることから、創造と伝達は始まります。

子供たちは何の遠慮もなく僕のことを笑ってくれました。僕も負けじと、思ったことを素直に子供たちにぶつけました。
それがとても気持ち良くて、今まで他人に遠慮していたり、自信の無さから萎縮していた自分に気が付きました。

時には思いっきり遊んで心を通わせることが必要だということも学びました。
笑うことはいいことです。
コミュニケーションはその後。

男の子と女の子は、やっぱり違うんだな、ということ、男子はみんなバカみたいに素直だし、なんでもとりあえずがんばる。
女の子はきっともう少し大人になったら僕には懐いてくれないのかなと思いました。それぞれにしっかりした思想や世界観があってすごいと思った。この差は一体なに?




自分がむかし学級委員やキャンプの班長をやっていたことを思い出しました。
リーダーは正しくあってしかるべきだし、わかりやすい存在であるべき。僕はそういう大切なことを多摩美に通ううちに忘れてしまっていました。
シンプルでいることは強いし、気持ちがいい。


思いはきりがないな、まだ整理できていないこともたくさん。
みんな元気かなぁ。


この間、お風呂を掃除しているときに将来の夢を思いつきました。いつか絵画教室を作って、子供たちを集めて、夏にはキャンプに行ってスケッチ大会をするという夢です。
その頃自分が何歳だか想像がつきませんし、陸別で出会った子供たちは大人になっています。

彼らに元気で大人になって欲しいと祈りつつ、彼らの子供たちに会えたら幸せだなあと思っています。



(写真提供:サマーイン事務局のみなさん)

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きのう描いた星の連作です。子どもたちのことを考えながら描きました。

おわり


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