2013年8月3日土曜日

秋山慶太とあけたらしろめの展示のこと



しろめ秋に展示します。

2回目となる今回は、
同級生の秋山慶太くんとふたりで(ワイ!)

大阪編と東京編の2本立てです。(イェイ!)

展示に向けていろいろと整理したいので、
今考えていることについて、すこし紹介します。



なぜ展示をするのか。4つ。

1つめ、けいたと展示をするのが目標だったんです。
僕は彼の作品が好きで、いつかは一緒にやりたいなと思っていました。
僕がちびちびと絵を描き続ける理由の30%くらいを占めています。

今回の展示の企画も、いま彼が制作している「かたちの肖像」シリーズを
ひと目見た瞬間、「一緒に展示やりたい!」と、ビビビ!ときて
僕からメールしました。

「かたちの肖像」はとにかく強い。殴っても破っても壊れない感じがすごく好きです。



画像は秋山ブログより

いいでしょ、これは!けいた曰くこの作品群はあるルールに基づいて描かれていて
今後これを立体化していくらしいのですが、
僕はこの白黒の記号のような絵のようなものに植物を見出したり、
風景や動物やいろんなもののオーラを感じます。
すごくカラフルに見える。
これからも本当に楽しみだし、これだけでも十分見応えあるなと感じていて
いろんな人とこの作品についてしゃべってみたいし、
自分の絵と並べたらまたなにか起きるのではないかな、と思っています。



2つめ、インターネットを通じて知り合った、自分の好きな絵を描く人に会いたい。

自分の好きな絵に出会えることはとてもすごいことだと思うんだけど、
その絵を描いた人はもう死んでいたり外国の人だったりっていうのが、
少し前まで当たり前だったんだ、自分のなかでね。

でもインターネットを通じて会えてしまったんです。
自分が表現したくてもできないことをやってのけている人に。
その人と接触することで確実に自分のなかに変化というか衝撃のようなものが走って
すごく利己的な書き方だけど、結局人と会うことは自分が成長することだと思うんです。
それでもっと上手くなってどんどん広がっていくことが楽しい。

うーん、それだけではないんだけど、ここは、まあいいか。



3つめ、人に見てもらうこと、作品に触れてもらうことでデザイナとしての経験値を上げるため。

僕はあくまでプロダクトデザイナーだと自覚していて、
イラストを描くこともネットサーフィンをすることも展示をすることも
すべてプロダクトデザインに結びつける風船みたいなものだと思っています。

要するに人に楽しんでもらうことについて考えていて、
個人制作を続ける中で、職場の往来だけでは得られないことを学んでいます。
ちょっとですが。例えばうまい絵を簡単に描くにはいい紙といいペンを買う
必要があるだとか、キャラクターグッズのような手作りのプロダクトデザインは、
家電のように複雑ではないけれど、人の生活をちょっといい感じにしていたり
人と人をつないだりしていて、

それって凄いことだぞと思っています。
大学では教わらなかったけど、プロダクトデザインも絵を描くことも
難しくないぞと感じてはじめて一歩目が踏み出せます、



ツイッターのフォロワーさん、会ったこともない方が自分で印刷して、
ブックカバーをつくってくれたり


また別の人が壁紙にしてくれたりね、これはプロダクトデザインとちょっと違うけど。
僕の目の届かないところで、絵はちょっと役に立っているのです。
がんばれ僕の絵たちよ!




4つめ、自分の絵を育てるためです。結局はこれに尽きます。

1~3を経て、自分の絵が成長するのは間違いありません。
けいたくんに最近よく言われるのが、くさのの絵は私小説のようだね、と
まったくその通りで、なにもないところから絵が描けるような人間ではないし
素直に感じたこととか、自分でみてなんかいいなと思えるような絵をかいています。

だから展示でいろんな人に会って、それから自分がどんな絵を描くのか、すごくたのしみ。

今ふと気がついたんだけど、僕の絵って白い紙にポスカ1本で描くのが基本なんです。
ポスカの線ははっきりしているから、線をひとつ引くだけで絵になります。
それくらい完成が速い。速いことはとてもよくて、思ったことがそのまま描けるんです。

始めの頃は会社員だし時間ないから速く描けるように考えた結果こうなっているけど
思ったことを出しやすい絵だからできることっていろいろありそう。
今回の展示ではシルクスクリーンにも挑戦します。
一瞬でコピーするよ。






秋山慶太とあけたらしろめの二人展 
「キャラクター / 形象」 

二人はプロダクトデザイナーです。 
美しいもの、心地よいものを作ることが二人の仕事です。 
秋山は直線と正円のみで描いたかたちを、木材を用いて立体化します。 
しろめは四季のイラストを、既製品に転写することで立体化します。 

展覧会のテーマはキャラクターにしました。
それぞれの考えるキャラクター(形象、個性、カートゥーン)について、その作用を応用した作品群を展示します。


幾何形態の組み合わせで描かれた秋山のかたちは、説明的な言葉が排除され、
明暗の凝縮されたかたちとなって鑑賞者の目に飛び込んできます。
網膜に焼き付いたかたちはイメージを喚起し、
鑑賞者と作品の間に見えない何かを発生させる力をもっています。

しろめのイラストはかわいいです。
キャラクターによって強度をもったイラストを日用品に転写することで、
イラストはものになり、日用品はかわいい日用品に変身します。
そうして「絵」が「もの」へと変換され、人の手を伝い、
誰かの生活の中の小さなともし火になります。 なったらいいな。





キャラクターについて

僕がなぜキャラクターを描いたか。

2年前の春、卒業してすぐ。
けいたとふたりで「欲しくなるサウンドプロダクト」というテーマで制作をしようと話して

彼は音を奏でる植物を描き
僕はフィールドレコーディングの漫画を描こうと試みました。

試みたけど全然描けなかったんだよな。
漫画を描いたことなかったし
フィールドレコーディングをしたこともなかった

詳しくは全然知らないのになんとなく
フィールドレコーディングは絶対面白いし
それをテーマにした漫画は絶対面白いという確信があったんです、

それで生まれたのがシロくんとメロさんていう双子のキャラクターで
今ポスカで描いてる作品群です。
それから2年たって先日ようやくまともなフィールドレコーディングをして
やっぱり楽しくて
絵もだんだんしろめスタイルみたいなものができてきました。

遅〜い

キャラクターは作品群の揺るぎない軸になっていて、彼らを中心に絵の世界は広がっていきます。


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可愛いキャラクター

まずは可愛いことです。
可愛いものを想像してほしい。

ねこでもなんでもいい…




…ハァ…

……ハァハァ!!ハアハア!!

うおお!!!!かわいい!!!!!


一体なにがこんなにかわいいのかよくわからんけどかわいい。。



となります。

癒しを求めているといったら嘘になると思いますが、
何もしないでボーっとしているのと
ねこ(いぬ)と遊ぶのを比べて、どっちがいいかといえば多分
いぬ(ねこ)と遊ぶでしょ。


かわいいことの要素として、生物であることが必須だと思います。

無生物でもかわいいものってありますが、
花とか、サボテンとか、ねじとか、
でもそれを可愛いと思う時って生物のポーズとか表情と
オーバーラップさせた上でのかわいいですから、

根底には生き物のかわいいがあります。
キャラクターもね、そう、生き物のかわいいしぐさを思い出すトリガーなんです。

可愛いものを見るのってすごく心地よいんだよな。

心地よいものを作れるなんてすごいことだから

僕は割と可愛いものを描こうといつも意識しています。


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魅力的なキャラクター

最近のゆるキャラ、オカザえもんとかふなっしーとかは
まあ可愛くはないけど魅力があります。

松本大洋の漫画のキャラクターなんかめっちゃ魅力的ですよね。
高倉健さんとか。

これはまた可愛いとは違うのですが、
やっぱり魅力的な存在に触れることって心地よくて
どうしたら魅力的なキャラクターが描けるのかな〜と思います

魅力的な風景とか瞬間とかかたちとか音っていうのはたくさんあって、

それは無生物的な気がします。

あの人の魅力的な態度は風のようとか
笑顔は花のようとか。

笑顔が猫のようってちょっと違うと思うのですが、極端かな。


かといって可愛いと魅力的を分断したいというわけではなく
どちらも大切で、
絵とキャラクターの中に混在するものなのですが。


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フワっとしてしまった。
僕のフワッとした意図をフワッとしたまま受け止めてくれるのが
キャラクターのやさしいところなんだなと今思っています。

言葉にしたらそれで固まってしまうのが苦手なんだよな。
そうそう、レコーディングの魅力を伝えることが彼らに託された使命なのですが、彼らはあんまり積極的にそれをしていません。

それは単純にいまのしろめの中でレコーディングの魅力がぼんやりしているから彼らはまだそこに積極的になっていないのであって、

しかし自然のなかにただいることとか
自然の音を聞くことの魅力はわかっているから
彼らはいい顔をしています。

なんか本当に分身みたいなものだね。

このフワッとしたものは多分フワッとしたまま、
僕の絵を見てくれる人にもきっと伝わっているんだろうなと思うと

とりあえずこのコラムは結。